ユリス・ナルダンとミモテック社によって設立されたシガテックでシリシウムを用いたマイクロメカニカル機器を専門に扱っており、そこではミクロン単位高精度なオーダーメイドアイテムを製造しています。

シリシウムは金属に似ていますが、特に硬度などその特性を持たない半金属です。主に半導体、トランジスタ、マイクロプロセッサの製造分野で一般的に適用されており、超小型回路および集積回路のエッチングの基盤として使用されています。時計製造を含む高精度なマイクロメカニカル機器の分野において、シリシウムは最適な一連の特性を備えています。

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2000年代初頭かシリシウムは時計製造業において最も有望な素材となりました。

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素材

シガテックが使用するシリシウムは、直径15センチ、厚さがわずか数十分の1ミリの円盤状のウェーハです。製錬所で合成的に製造された結晶シリコンインゴットから削り出しています。最も大きなインゴットは2メートルほどの高さがあり、完全に均一で高品質の単結晶でできています。製錬工によって切断、研磨されたシリシウム結晶はウェーハ状にされ、これらの中間部品は機械加工できる状態で提供されます。これらにかかる費用は、数百フランになります。素材にこれだけのコストがかかるのは、高度な技術が必要だからです。

DRIE

シリシウムを必要な部品へ加工するには、ある特定の工程が必要となります。DRIE(深堀反応性イオンエッチング)技術は、わずか10年で時計製造における独自の地位を確立しました。この加工技術を行う上で、最後の仕上がりを左右する非常に重要なものが空間環境です。シリシウムは、マイクロプロセッサと同じようにクリーンルームで製造されます。シガテックが主に業務を行う空間へ入るには、全員が特定の防護服を着用しなければなりません。加圧室では皮膚、衣服、髪やひげに付着している微粒子や空気中に浮遊している各粒子が、真空にされるか、合成および帯電防止布で作られたバリアに閉じ込められます。

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イオンとプラズマ

次に説明するのは、エングレービングの工程、つまりエッチングです。ユニットあたり100万フランのコストがかかるコンパクトな化学反応装置のようなプラズマ装置2台に、作りたい部品の幾何学的形状を持つウェーハが挿入されます。宇宙空間と同じように、閉じ込められたタンク内ではほぼ完全に真空状態となります。そして複数の液体が連続して挿入されます。1つ目はシリシウムに照射するプラズマで、マスクで保護されていない領域を溶解します。3分の1ミクロンを取り除いたあと、プラズマはタンクから排出化されます。側面とベースを含むエッチングされた表面すべてを覆うポリマーであるパッシベーション膜が被せられます。その後、ベースはイオン衝撃で破壊され、プラズマ処理が再度適用可能になります。このようにマイクロレイヤーを連続して行うことで、シリシウムを目的の厚さに加工することが出来ます。この工程こそが、ボッシュグループが持つ特許の核となる部分であり、シガテックが活用し習得した技術です。

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多層化

これらの複雑な部品を段階別に製造するために、製造のさまざまな段階で同じウェーハ上に複数のマスクを適用します。ウェーハはプラズマ装置から取り出され、新しいマスクを通して照射され、エッチング装置に再挿入されます。すべての場合において、作り出される形状は±2ミクロンの精度を示します。マスクの幾何学的形状が加工の段階で投影されるため、実際にはエッチングは3Dではなく2.5Dとなります。エッチング完了後に別々に行われるDRIE面取り加工をシガテッでは行っています。さらに、シガテックが誇る最新イノベーションの1つが、これらのマイクロピースの溶接です。限られた接触点で、酸化ケイ素の助けを借りて2つの表面を統合することが可能になりました。反応炉に高温で酸素を注入することによって、酸化物が作成されます。

これにより、製造業者は多数のピースが積み重なったパズルのように、複雑な形状の一体式部品を作り出すことができます。

仕上げ

ウェーハがエッチングされると、残りのエポキシ樹脂は除去されます。いよいよ製造工程の最後のステップです。ガスで満たされたオーブンで特定の温度に加熱されると、部品の表面に二酸化ケイ素の層が形成されます。これにより部品が硬化し、熱変動に直面しても理想的な安定性が実現します。実際、二酸化ケイ素はよりその弾性率が上昇しますが、(ほとんどの素材と同様に)温度が上がるとシリシウムの弾性率は低下します。したがって、この2つの素材を混合した素材は温度変化に影響されない弾性率を持つことになります。明るいパープルからスレートグレーに至るまで、部品の最終的な色合いが決まるのもこの段階です。完成した部品は、酸エッチングどをのプロセスいてベースウェーハから分離されます。

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オプション

追加オプションとして、完成したシリシウム部品は単結晶ダイヤモンドの層でコーティングすることができます。複数の光線を備えた機械では、シガテックは1層ずつ立方体構造の純粋な炭素結晶、つまりダイヤモンドを層ごとにコーティングします。これにより部品の硬度を高めることができ、シガテックのカスタムメイドプロセスに特有の要素とパーソナライゼーションの要素が追加されます。

エネルギーの結果

DRIE技術では大量のエネルギーを消費します。空気清浄。化学浴槽の処理。温度管理。オーブン、エッチング装置のエネルギー消費。真空状態を作るプラズマ装置とそのターボ。そこで、シガテックはエネルギー消費を最小限に抑え、環境への影響を低減するために地熱ボアホールを作成しました。

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